店長 新山かに子  



朝の最低気温が氷点下になりはじめた今日この頃、
私はスタッフの岩手と一緒に、
釧路管内浜中町「散布(ちりっぷ)漁組」さんの
えぞばふん生うにの取材に行ってきました。

寝坊したらどうしよう・・・
そう思うとなんだか眠れず
午前2時半に起床、4時に会社を出発、6時には散布に無事到着しました。
まずは、うにを獲る船へ乗船。
真冬の寒さほどではありませんが、やっぱり船の上は寒いです。



うに漁師の浜野さんに他の漁師さんが潜水服を着せています。
潜水服を着るだけでも一仕事といった感じです。
潜水カップをかぶり、浜野さんは、
いざ冷たい海の中へ。
晩秋の海に潜っている姿をみていると、
何だかとっても辛いものがありました。
漁の模様はこちら【田畑さん】
たくさんのばふんうにを獲って、
本日の漁は無事終了。
私もちょっと、ホッとしました。



次は浜の奥さん達が、水揚げされたばかりのばふんうにから
塩水うに作りにとりかかります。
浜の奥さん達は、朝からとっても元気!
そしてとれたてのばふんうにを、手際良い手つきで
つぎつぎと殻を割り、準備オーケー。
まずは殻を割ったばふんうにを、海水と同じ濃度の塩水に入れます。
私も早速チャレンジ!

うにの身を壊さないように、ゆっくりと。。。。。
し、しかしっ、殻からうにが、はずれないんです。
うには昆布を食べるのですが、うにと昆布がからみあって
なかなかはずれないのです。
浜の奥さん達は、とてもリズミカルに手早く
尚且つ、とてもきれいに身を取り出しています。
奥さん達が、殻からうにの身を10個くらい取り出している間に、
私はようやく1個という感じです。
30分くらいして、ようやく私も慣れてきた頃に、
うにの身を取り出す作業は終了〜!(もうちょっと、やりたかったな〜)



取り出したうにの身は、こまかい昆布などがついているので、
今度はピンセットでそれ取る作業です。
この作業も油断していると、身を壊してしまう可能性があるので
決して気を抜くことができません。
真剣な私(店長かに子)の表情・・・わかりますか。
(顔が覆われているので、わかりませんよね^_^;)
そして今度はきれいなったうに身を、もう一度確認。
ここでは、あらかじめランク分けされていた
ばふんうにを、もう一度確認し
更に塩水でうにもきれいにします。



次は、いよいよ詰め作業です。
お届けする時も海水と同じくらいの濃度の塩水に入れます。
この塩水うにパックでのお届けは、比較的最近の発送形態です。
かつては折詰めと呼ばれる、木枠のおりに、
一粒ずつ並べた生ウニが主流でしたが塩水パックの生ウニは、
塩水に生ウニを浮かべていて、殻に入っている活きている生ウニが、
海の中にいるのと環境がほぼ一緒。
「殻からの割りたての味をお楽しみいただける」という事で、
この塩水うに(海水うにと言っているところもあります。)が、
最近では大人気になっています。



私も、塩水パックにチャレンジしてみました。
ふたは一度してしまいますと、開けることができないので(水漏れ防止の為)
とても緊張します。
見事?殻から割りたての生ウニ「塩水パック」ができあがりました!
しかしながら、一つの生ウニのパックを作るまでには
想像していた以上に、とても時間がかかり、また大変な作業でした。
私はこれまで、生ウニを作るご苦労はわかっているつもりだったのですが
正直全然甘かったです。

食べてしまうのは、ほんの何分かで食べる事ができますが、
100gの生ウニを1つ作るのは、その何倍も時間がかかるのです。
冷たい海に潜って一つ一つうにを獲ってきて、
そして、殻を割り、選別し、殻から身を取り出して、一粒ずつ丁寧にパックする。
漁師さんと、浜の奥さんたちに、本当に感謝です!
またこんな機会を与えてくださいました、散布漁組さんの皆様、
本当にありがとうございました。
これからも末長いお付き合いを、どうぞよろしくお願いいたします。

2006年 11月 北釧水産店長 新山かに子