前日の夜は船頭である叔父の家に泊まり、飲んで食べて9時就寝。0時に起き、身支度をすませて、午前1時出港。
親戚の船は連日大漁が続いており、1日2回漁に出る事もあるので、今日も真夜中の出港になりました。

秋鮭漁は羅臼の前浜から1700メートルくらいのところ、比較的前浜から近いところで、漁をしています。

網を仕掛けたところをを灯りで照らしていざ漁へ。
2年ぶりに船に乗せてもらい、身も心も引き締まります。

この時期、真夜中の船上はとても寒いのですがしっかりと真冬の服装をしているので、あまり寒さは感じません。
この時間は月もまだ出ていて、なんだかロマンチックな感じもします。

今日は、風も凪ていて(波がおだやか)で絶好の取材日よりです。
網をしかけた所に着きました。
漁の邪魔にならないように写真をとらなきゃ。

定置網漁と呼ばれる漁法で水揚げする秋鮭漁はしかけた網を呼吸を合わせて少しずつ引き寄せていきます。

波のない日は比較的楽ですが、時化(しけ)ているときは大変、海の男は命がかかっています。
網を引き上げるところをじっと見ていると、イカがスイスイ泳いでいました。
「あっ!イカだ〜〜〜!」

刺身では一番イカが好きな私は、イカの泳いでいる姿に妙に感動してしまいました。 (写真はとれず...)

あっと!イカに感動している場合ではありませんでした。
網の中に入っていた秋鮭がピチピチ跳ねています。

網を一気に引き上げて、水槽の中へ。。。。
ピチピチ跳ねた秋鮭の水しぶきが飛んできます。
1箇所で3回網を起こして、次のしかけへ行きます。
網を起こしている途中、網が破れていて船頭が手馴れた様子で網を縫い合わせます。

今日も大漁!親戚の船は
この日までに合計14万本もの水揚げがあったそうです。
そして、その日はなんと!あの幻の鮭「鮭児」も水揚げになりました。
今日は市場に行かず、
番屋に直行してしまったので鮭児を見ることができず残念(>_<)でした。
漁が終わって、今度は鮭の選別です。

いくらに良いとされる鮭は「Aブナ」と呼ばれる鮭です。

姿は銀鮭にくらべて決して良いとは言えませんが、卵の成熟度が違います。
今日もたくさんおいしい「いくら」を作る、鮭が水揚げになりました。
番屋に戻って、「まかないごはん」をよばれました。

従兄弟が朝とれのイカを持ってきてくれました。
活きていたイカは刺身にすると、しのるくらいの活きのよさ、食べると歯ごたえがあっておいしい〜〜〜。
その他、浜のまかない料理をたくさん堪能しました。

(食べることにすっかり集中してしまい、写真を撮るのを忘れてしまいました^_^;)
番屋の前で親戚とパチリ(下写真)。
左から、船頭で叔父の神山公児、叔母で番屋のまかないごはんを作っている神山たみ、父@北釧水産、従兄弟で本家の神山公仁です。

私は、小さい時から羅臼に遊びに来るのが好きでした。
昔は、今番屋として使っているところが本家の住まいでしたので、そこに泊まって、目の前の海で泳いだりしたこともありました。
目の前が海でそばに川が流れているという環境が、子供心にはとても不思議でとても感動したものです。

今でもこの番屋へきて目の前に広がる海を見ていると心が和み、癒されます。

今回も取材できて、本当によかったです。


最高の卵を求めて、知床羅臼秋鮭漁取材日記
2003年10月 店長かに子